今日も各所で気遣いしている皆さま、本当にお疲れ様です。
気遣いとは相手に自分の気を遣る(与える)行為ですから、疲れてしまうのは当然のこと。
そんなとき私たちには「自分を思い遣る」時間も必要です。
これまでもセルフケアの方法はお伝えしてきましたが、今回は特に人間関係におけるストレスにフォーカスします。
今ある悩みがシンプルになるよう、境界線と伝え方のお話をしたいと思います。
配慮はしても遠慮はしない
配慮とは、
『事情を踏まえて気遣いのこもった取り計らいをすること
遠慮とは、
『人に対して言葉や行動を慎み控えること、辞退すること、引き下がること』
(Weblio辞書から引用)
みなさんが普段している気遣いは後者の遠慮ではないでしょうか。
その背景にあるのはおそらく、
どうせ聞いてもらえない。
上の人が決めることだから。
忙しそうだから。
イライラしてるから。
など。いろいろな思いがあると思います。
しかし、その思いが勘違いである可能性もまた否定できません。
いくら相手が関わりにくいと感じても、実は相手も人と関わることへの苦しみや傷を抱えているものです。
その点で私たちは共通しているということを理解しておきましょう。
また、「聞いてもらえない」側も、「話してもらえない」側も、実は過去の経験をベースに、他者に対して誤った思い込みをしており、避けて(避けられて)いるに過ぎないことがあります。
無用なストレスを生まないためには、自分の傷つきに対する思い遣りと同じぐらい、相手の傷つきに対する同情も欠かせません。
それぞれの事情、背景に気を配ることで、遠慮せず、配慮して関わることができるようになります。
配慮して伝える方法
何かを伝える時、無配慮に当たり散らしたり、どうせ聞いてくれないという態度で接するのは思いやりに欠ける行為です。
ここでは風通しの良い対話を可能にする3つのポイントをご紹介します。
1)伝える前の心構え「他者との間に境界線を引く」
わかって欲しい
良く思われたい
私は悪くない etc…
人間関係に苦しむ多くの人は、強い自我(感情、考え、理想など)を抱えています。
また、その自我を他者に押し付ければ、周囲に圧倒的な「重み」を感じさせます。
そしてその重みで人が離れます。
何かを伝えるときはまず、どんな反応が返ってくるかは相手の自由であることをわきまえましょう。
対話の結果さえ手放し、ありのままを受け止め対処する覚悟を持ちます。
そしてその覚悟は境界線となり、互いの選択を尊重する風通しの良い場を作ります。
境界線は互いを避けるものではなく、むしろ近づけるものなのです。
2)伝えたいことを準備する「感情と思考の整理」
他者との間に境界線ができると、気を揉んだり、ご機嫌とりのために悩んでいた時間が減ります。
空いたスペースで自分を知るための時間を作り、感情と思考の言語化に取り組みましょう。
私たちの脳は省エネのため、感情も思考も染み付いたパターンを繰り返す癖がついています。
もし皆さんが場所を変え、相手を変えても起きる問題が似ていると感じる場合、癖づいた思考パターンが原因の一つです。
ジャーナリングやセラピー、カウンセリングなど、自分に合うもので自己への客観性を育み、感情と思考をそれぞれ言語化できることが望ましいです。
意識が変化すると、実際の会話で出てくる気持ちや言葉にも変化が現れます。
同時に、伝えるべきことと、伝える必要がないことの分別もつけられるようになります。
3)本番!伝える時は「伝わると信じる」
いままで「伝わらない」経験を重ねてきた人は「伝わらない」という思い込みがその現実を生んでいます。
伝えられないことを他者の聞かなさのせいにせず、伝えられる自分を主体的につくることで「伝わる」現実を引き寄せます。
また、その結果がどうであれ、伝えたいことを伝えたのと遠慮したのとでは、自らが感じる達成感や成長感も異なります。
内面の成長は仕事でなんらかの成果を得た時より、大きく、持続的な喜びをもたらします。
(逆パターン「話してもらえない」という悩みも同じです。「話してくれればいいのに」と他者に期待せず、本人のタイミングで「話してくれる」「そのとき聞けるように感情と思考を整理しておこう」という配慮が話してもらうための土壌づくりになります。)
境界線が自分と大切な人を守る
心が擦り切れる「遠慮」
人が離れる重い「期待」
この二つは積極的に手放したい人間特有の執着です。
私たちが住む宇宙には多くの星が輝いていますが、そのどれもが程よい距離感を保ちながら回り続けています。
しかし、もし太陽が月を欲して接近したり、地球が火星を嫌い離れたらどうなるでしょう。それぞれの星が消えて無くなるならまだしも(それだけでもひどいことですが...)。
その影響は太陽系、さらにはその境界を超えて多くの星々の調和を乱す恐れがあります。
それと同じように、私たちも一人ひとりが星のような存在です。
たとえ相手が恋人や自分の子どもであっても、コントロールすることで得られるのは痛みです。
また、例えばAさんとBさんが10mの距離でうまくいくとしても、AさんとCさんには10kmの距離がないとうまく回らない。そんなこともあります。
他人の関係性に口を挟むのは境界線を超えて自分のエネルギーを外に浪費するようなもの。
大切なエネルギーは境界線で守りましょう。
そうして溜まったエネルギーは大切な人たちを配慮する時に活躍し、一段と信頼関係を深めることに役立ちます。
まとめ
以上、境界線のお話でした。
みなさんが今、複雑な人間関係に悩むとすれば、戦う相手は他者ではなく自然に振る舞うことを妨げる内なるエゴ(欲望など)が相手です。
どんなエゴが自分を苦しめているのか。
それに気づくには静かなひとりの時間も大切。
内面に閉じ込めてきたものを解放していくと、滞っていたエネルギーがスーッと流れ、人間関係だけでなく体調やお金の巡りにも良い影響をもたらします。
人と深く関わる必要さえ感じなくなり、人間関係もシンプルに。
今ある悩みも気づいた頃にはどうでもよくなっているはずです。
宇宙は程よい距離で私たちをいつも見守っています。
みなさんが少しでも楽になることを願っています。
ライター:Sumie☆
スワルメディテーション インターミディエイト修了
Instagram:@mana.by.sumie